Diario di PIPPO　～ピッポの日記～

それは先週の土曜日の出来事だった。
仕事を終えて帰宅後、家族全員で夕食の準備にとりかかる。

さぁ！恒例の土曜の晩餐のはじまりだ♪

すると、２階の書斎・・・いやワインの貯蔵部屋と化したあたりから妻の声が聞こえてきた。

「明日も仕事だから、今日はワインを控えめにぃ～♪」



ん？ホンマかいな？？
家族中が顔を見合わせる中、鼻歌まじりでワインを抱えた妻が現れた。

食事が始まり、ワインもすごいペースで減っている。
これまマズイ・・・と思った矢先

「もう一本いこうか！」

やっぱりこうきたか・・・

さらにお父さんの一声が追い打ちをかける

「お、そういえば面白いワイン見つけてきたんだよ」

うぅっ、そうきたか・・・

隣には既に妻の姿はなく、その「面白いワイン」を抱えて再び現れた。

どんな味がするのか、とりあえず一口ずつ飲んでみた。

「・・・」

これを飲むのは止めよう・・・家族全員がそう思ったはずだった。

ワインには栓がされ、料理用として使うことにした。
食事も済み、後片付けをして団欒の時間になった。

PIPPOは部屋に戻り、仕事の続きを。
両親はそれぞれ好きな部屋に移動してリラックスタイム。

一時間ほどして、妻が何をしているか気になってクチーナに行ってみると

「！！！」

テーブルに一人座って何やらご機嫌になっているではないか！
傍らには栓がされていたはずのワインが空に！！！

あちゃ・・・・やっちまったか・・・

このままにしておくと床の上に寝てしまいそうだったので、急いで寝室に連れていこうとしたが、千鳥足状態・・・
おまけに「まがってる、まがってるぅ～」を連呼している。

何が曲がっているのか分からないが、どうやらまっすぐに歩けずに右に回ってしまうようだ。
その勢いで階段の柱に激突し、その反動でテレビに接触し床に転倒、立ち上がろうとするが再び床に転げた。

手をかしてソファーに横たわらせた瞬間、「ひひひ」と笑っているではないか。
これにはPIPPOもつられて笑ってしまった。

考えてみれば、これまで妻のこんなに酔った姿を見たことがなかった。
よほど疲れているのだろう。こうして発散してバランスを整えているに違いない。

翌日、仕事にでかける直前まで苦しんでいたのは言うまでもなく・・・
おまけに「ぴっぽぉ～、腕にあざと傷があるんだけど、どうしたんだろう？？」と叫んでいるところをみると、
柱への激突と転倒によってできた腕の青あざと傷の記憶がまったくないようだ。
仕方がないので、一部始終を説明した。

そんな状態でも滞りなく仕事をする彼女を、ある意味すごいと思うPIPPOであった。

あれから一週間が経過。今のところ妻からのワインを飲みたいという申告はない。
少しは懲りたかな？？