2011年08月11日

これ、なに?

妻のコレクションにスプーンの形をした不思議な道具がある。

その形状は、スプーンのボウル部分に透かし模様が施され、柄は細長く、その尖端は槍のようになっている。

最初にこれを見たとき、てっきりオリーブの実を掬うモノだと思ったPIPPO。



この道具について妻に聞いてみたところ、かつて紅茶を楽しむために欠かせない道具だったのだという。

ここで素朴な疑問が湧いてきた。「かつて~だった」? なぜ過去形なのだ?
今は使われていないってことか?

イギリスといえばアフタヌーンティーの習慣があるが、そう言われてみれば、使われている道具の中にコレが見当たらないような気がする。

名前すら知らないこの道具。
いつごろ、どんなふうに使われていたのだろうか。

その名を「モートスプーン」または「モートストレーナー」といい、イギリスで紅茶の習慣が始まった17世紀後半に使われていたものらしい。
これは当時の茶道具セットにモートスプーンが入っていたことから、そう推測されている。

どんな使われ方をしていたのか調べてみると、そこには当時の茶葉事情が関係していた。

当時のお茶の品質はあまり良いとはいえず、茶葉の大きさもバラバラで、ちりやほこりもかなり混じっていたようだ。
そこで活躍したのが、このモートスプーンだったらしい。

透かし模様が入ったボウルの部分で、注いだ茶の表面に浮かんだちりやほこりを含んだ茶葉を掬い、柄の尖端でポットの穴に詰まった茶殻をつついて掃除をしたのだそうだ。

やがて18世紀後半になると、モートスプーンに代わって茶漉し「ティーストレイナー」が登場し、モートスプーンは作られることがなくなったと言われている。

こうした事情から17~18世紀のわずかな期間にしか製造されなかったため、今では現存数の少ない希少な歴史的道具になっているというわけか。

なるほど。紅茶の歴史もなかなかオモシロイものだ。

こうして意外なところから茶漉しの歴史を知ることになったPIPPOであった。


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Posted by pippo at 08:53│Comments(0)アンティークシルバー
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